大木 祐二
monofarm編集室
編集長
mononfarmウェブマガジン編集長を務め、monofarmの発起人でもあります。
未来のものづくりはどういった「コト」や「モノ」であるのかを通じて、みなさんとのつながりを求めてウェブマガジンを立ち上げました。
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触らにゃソンソン!「ショッカソン2017」体感レポート!
今年で4回目となる「ショッカソン2017(Shock-a-thon:触覚ハッカソン)」が一般社団法人T.M.C.N(Tokyo MotionControl Network)主催の元開催されました。

shockathon2017会場

「ショッカソン2017」開催日時:2017年8月26日(土)-27日(日) 会場:FabCafe Tokyo,FabCafe MTRL

そもそも「ショッカソン(Shock-a-thon:触覚ハッカソン)」とはどういったハッカソンイベントなのか、少し触れておきたいと思います。今回、約50名の参加者(一般、学生)により、「新しい触覚体験」を24時間でプロトタイピングし、最終日には成果物をチーム毎に発表&デモ実演を行い、その成果物に対するアイデアの斬新さ、ユニークさ、完成度を、審査員による評価を元に競い合う事を目的とするハッカソンイベントとなるようです。さらに今回、大賞を受賞したチームは「Mashup Awards 2017」の一次予選免除の権利も獲得できてしまうという、注目を集めるハッカソンイベントの一つとなります。

それでは、今回どのような「新しい触覚体験」が誕生したのか、チーム毎のプロトタイピングにフォーカスしレポートして行きます。


■チーム名:ケヌキ / 作品タイトル:何かごちゃまぜのヤツ

毛を抜くデバイス

「毛を抜くデバイス」 / 赤ちゃんのお人形の頭から毛抜可能な一本の毛が生えており、かなりリアルな感覚での毛抜感触(引き抜き強度)を再現している


手で音を感じるデバイス

「手で音を感じるデバイス」 / 左手で丸いフワフワした特徴的なボールを握り(ショッカソンの提供ツールらしい)、右手で生のバナナ(ショッカソン参加者へ振舞われた食材を活用したとの事)をサワサワする事で、日本の国技映像とリンクした形で、詳しくは記載できない高い女性の声的な効果音が流れスポーツ観戦者と選手との一体感を増す触覚装置となるようだ


怒りを目で感じるデバイス

「怒りを目で感じるデバイス」 / 今一歩実演までいたらなかった作品だが、最後まで再現可能な状態まで引き上げるべく、高度な作り込みがされていた


■チーム名:ハプ太郎 / 作品タイトル:ビビっとくる名刺

ビビっとくる名刺01

「ビビっとくる名刺」 / 高精細な振動を伝達できる振動ユニットを介し名刺を振動させる事で、企業にまつわるサウンドリズム等を名刺交換の際に交換相手に伝えられ、印象に残る事この上ない触覚デバイス


ビビっとくる名刺02

高度な技術を使用しているが、わりとシンプルな構成で開発されている点にも驚かされる


■チーム名:元の竹内さんチーム / 作品タイトル:ドーム

ドーム01

「ドーム」 / ビニル傘でドーム形状の半透過型スクリーンを再現し、そこにVR映像をプロジェクション再生し、その映像に合わせながらボールやバナナを振ったり、パチパチトール君をパチパチ鳴らすと、VR映像に効果を与えさらには、鈴やタンバリンの生音を発生させ、ライブのグルーブを活用し観客との一体感を高める触覚装置を提示された


ドーム02

某有名100円ショップで絶賛販売中の「パチパチトール君」は、「パチパチクラッピー」の廉価版として発売され(詳しくはこちらをご覧ください)、一部のコミュニティ(クラッピーチャレンジ)では絶賛活躍中となるようだ


ドーム03

様々な形状の触覚ツールを使用し、映像に合わせてリズムをとる事で楽しい一体感が得られるしかけに


■チーム名:マリオネットつくるラボ / 作品タイトル:あやつり人形

あやつり人形01

「あやつり人形」 / ある一定の角度以上または以下に腕を曲げたり伸ばしたりすると、ビリビリとした触覚フィードバックを伴う触覚装置


あやつり人形02

結構ビリビリとした触覚フィードバックが発生するため、デモ体験者は驚きと共にちょっとした?痛みを伴う


■チーム名:NonR(ノンアール) / 作品タイトル:ノンアルでベロベロに

ノンアルでベロベロに01

「ノンアルでベロベロに」 / ノンアルコールのドリンクを飲んでも、アルコールを摂取した時のような気持ちよい感覚を味わう事を目的に開発された


ノンアルでベロベロに02

アルコール摂取時に心臓や頭部に感じる「ドク、ドク」という鼓動感や、足元がフワフワ、ジンジンする感覚までも再現し酔った時の心地よさを追求されたが、ノンアルで強制的に酔わされると気持ち悪くなる模様


■チーム名:スネークマンショーン / 作品タイトル:ガリヴァー交響曲

ガリヴァー交響曲01

「ガリヴァー交響曲」 / VR映像を通じて小人の世界の住人となり、迫り来る巨人の指に触れる事で、お互いの存在を確認しコミュニケートする事で世界平和をめざす装置との事(恐らくこのような設定だったかと...)


ガリヴァー交響曲02

小人役をつっつくための巨人の指デバイス(開発者より、スケールではガ◯ダムを超えたと申されておりました)


ガリヴァー交響曲03

小人が履く想定の下駄デバイス(下駄の歯が鍵盤の役目を担い音を出すしかけになるらしいが、今回の成果物への実装には至らなかった)


ガリヴァー交響曲03

小人が下駄デバイスを履き音を鳴らす想定の、紙のようなピアノデバイス(下駄デバイス同様、今回の成果物への実装には至らなかったが、確実に機能するよう作り込まれている事に驚かされる)


■チーム名:Remote Shoulder / 作品タイトル:肩もみを遠くに伝達する

肩もみを遠くに伝達する01

「肩もみを遠くに伝達する」 / Unityを使用して開発されるヴァーチャルリアリティ空間での肩もみが、リアルの肩こりを解消する触覚装置となって誕生した(この装置を通じ、全世界の人々のコリをほぐすネットワークを形成し、新たなコミュニケーション方法を提示された)


肩もみを遠くに伝達する02

VRゴーグルをかけると目の前に「筋骨隆々なおじさんの背中」が現れ、赤く表示されたコリを伴う部位をEXOSという力触覚提示デバイスで揉んであげる事で、遠く離れた所にいる人の肩こりの悩みを解消できてしまう


■チーム名:触覚神経衰弱 / 作品タイトル:触覚神経衰弱

触覚神経衰弱01

「触覚神経衰弱」 / 作品タイトルの通り「触覚」を使用した神経衰弱ゲームとなり、異なる4つのマテリアルから一つ選択し木製の箱の上に並べ、選んだ二つの番号に置かれたマテリアルに指を置きながらの二つの振動パターンが同じか異なるかを感じ当てて行くゲームとなる(対戦者は白くて丸い振動子を握る事で、相手の触覚をフィードバックでき、次の自身のターンに備える事ができる)


触覚神経衰弱02

かなり繊細な振動ゲームの作り込みのため、物静かにかつ着々と進行されている様子がとても印象的であった


■チーム名:タピオカ / 作品タイトル:タピオカ

タピオカ01

「タピオカ」 / タブレット上に次々と現れる「タピオカ」をストローのついたタピオカ吸引デバイスで、一定時間内に何個吸い込む事ができるかを競うゲーム


タピオカ02

体験者はストローをくわえ、タブレット上の「タピオカ」にデバイスでタッチしながら吸い込んで行くが、「タピオカ」を吸い込む際に感じる「ドゥル」っとした触覚はかなりリアルであり、是非実際に体感していただきたい


■チーム名:ゆるUnity電子工作部 / 作品タイトル:VR腹文字

VR腹文字01

「VR腹文字」 / VR映像と共に、お腹に指で腹文字を書かれる触覚体験を提供する作品(空中超音波触覚ディスプレイを使用し、あたかも肌を触られているかのような感覚を引き起こす)


VR腹文字02

VRゴーグルを装着すると可愛らしい少女キャラクターが、人差し指で自分のお腹に文字をカキカキし始め、実際は触れられてもいないのに何故かサワサワされてしまうという、思いの外萌え度が高く何故かお腹を出したまま照れてしまいがちな作品


VR腹文字03

「VR腹文字」を成果発表した「ゆるUnity電子工作部チーム」は、ショッカソン 2017において「大賞」を受賞され、見事Mashup Awards 2017の一次予選免除の権利を獲得された(画像右端は、審査員参加された、東京工業大学 名誉教授の佐藤 誠教授)

やはり、「触覚体験」を追求するハッカソンの成果物だけに、実際体験してみないと伝わらない物ばかりではありますが、このようなこれから育つ技術が形を変え、ゆるやかに日常に取り込まれてゆく事を少し想像してみると、あらゆる可能性の広がりを感じられるのではないでしょうか。今後も継続し取組まれるであろう「ショッカソン」が推進する触覚技術に、注目するだけでなく皆で触れて体感していただくことを強くお勧めします。

ショッカソン 2017


ショッカソン2017(イベントページ)
一般社団法人T.M.C.N
Tokyo MotionControl Network(facebook)

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