大木 祐二
monofarm編集室
編集長
mononfarmウェブマガジン編集長を務め、monofarmの発起人でもあります。
未来のものづくりはどういった「コト」や「モノ」であるのかを通じて、みなさんとのつながりを求めてウェブマガジンを立ち上げました。
monofarmから新しいものづくりの芽がたくさん育つことを目標に活動中。

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私たちの暮らしに身近な「IoT」メーカー。健康的で、快適な未来をめざす株式会社Moffの取組。
手首にバンドを巻いて振るだけで楽器が演奏できる。いつでも手軽に自分の動きに応じフィットネスを楽しめる。自分の体がどのように動いたのかデータ化され健康管理に役立つ。このような快適で健康的な未来が、インターネット環境とウェアラブルデバイス(身体に装着して使用する端末)を通じて、手軽に得られることとなりそうです。

今回お話をお聞きした株式会社Moff(モフ)は、このような未来をめざし2013年10月にスタートアップした日本発のIoT(Internet of Things)のメーカーです。現在、ファーストプロダクトとなる子供向けのウェアラブルスマートトイ「Moff Band」を開発し販売されます。

「Moff Band」は端末を腕に巻き付け、内蔵する加速度センサーとジャイロセンサーで人の動きを感知し、その動きをBluetoothで各種デバイスと連携するウェアラブルデバイス

それでは、「株式会社Moff」とウェアラブルスマートトイ「Moff Band」について代表の高萩 昭範さん(以下、「高萩さん」)にお話をお聞きして行きます。まず、高萩さんはどのような方なのでしょうか?


post_strong_01 もともと僕は文系でしたが、「数学が得意な文系」という感じでした。理科は苦手な方で、一番苦手だったのは社会ですね。
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高萩さんは「数学」が得意で「社会」が苦手な文系とのこと。そして最終学歴は「京都大学 法学部」のようです。そして、「テクノロジー」について、身近に感じられる環境があったようです。


post_strong_01 昔から「テクノロジー」は好きでしたね。父親が電気技師で、多くの特許を取得していることもあって、技術的なことはとても身近に感じていいました。「ものづくり」の関係で言うと、私は大阪の八尾出身ですので、中小企業がとても多い地域なんです。少し歩いたら必ずなんかの工場があるような。日々「ものづくり」が行なわれている環境で育った感じです。
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小さな頃から「テクノロジー」を身近に感じ、さまざまな「ものづくり」に囲まれ育った高萩さん。その頃からすでに、将来めざす方向が見えていたようです。


post_strong_01 将来はメーカーで働きたいと考えていました。でも、いざ自分自信が就職活動を始めると、既に日本メーカーは総崩れ状態のような時期で、「今後、日本のものづくりは通用しなくなるのだろうな…」ということを当時感じていました。ならば、世界に通用する「経営」や「ものづくり」の発想を学んでみようとコンサルティング会社(A.T. Kearney)に入社したんです。そこでは、経営戦略を学ぶといった感じで、物事を単純化して整理するフレームワークという方法論が確立されていました。
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その後、そこで得た知識・経験よりダイムラー社のメルセデスベンツにて、プロダクトマネージャーとして活躍されたようです。

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株式会社Moff 代表 高萩 昭範さん


post_strong_01 プロダクトマネージャーは、研究開発部門・生産部門と連携をとり日本市場で「どのような車を売っていくか。どういう仕様にするか。」という事を決めてゆく仕事でした。
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ここへきて高萩さんが理想とする「テクノロジー」や「ものづくり」への想いが募り始めます。


post_strong_01 単純に「モノ」を作っているのも、なんか違うなと。そこで、アプリ開発やウェブ開発の世界へ入っていき、そこから「モノ」と「インターネット」がつながるという世界は面白いと感じたんです。そこの気づきから、IoTをテーマとした「ハッカソン」のイベントに参加し「Moff Band」の開発につながっていった感じです。
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「ハッカソン」に参加した際に、偶然同じチームに居合わせたメンバーがそのまま「Moff Band」開発チームとなっていったとの事。この、巡り会わせにより誕生したチームが生んだ「Moff Band」は、非常にシンプルなウェアラブルデバイスであり、子供たちでもすぐに遊べる作りとなりました。そもそも、どのようにして「Moff Band」が形づくられたのでしょうか?


post_strong_01 画面に変わるUI(ユーザインターフェースの略)が欲しかったんです。GUI(グラフィカル・ユーザ・インタフェースの略:マウスやトラックボール、タッチパッドなどのデバイスを用いた直感的な操作方法)を起点としたユーザーインターフェースではなく、「もっと人間の活動そのものがUX(ユーザーエクスペリエンスの略)となりUIとなることをやりたいね」と。GUIでやっている限りは身体的活動が制約され、フェーストゥーフェースのインタラクション(複数の異なる分野のデザインが相互作用を及ぼす、新しいデザイン活動)も制約されるし、クリエイティビティやイマジネーションも少なくなってくる。「そこの課題に挑戦したい!」という考えからウェアラブルデバイスという形になって行きました。
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さらに高萩さんは続けます。


post_strong_01 そのなかで、「あまり画面見ちゃダメだよ」と言いたくなる相手は「子供たちだね」と。であれば、「子供たちに対してまず分かりやすくやってみよう」と、ウェアラブルスマートトイ「Moff Band」は誕生しました。
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「Moff Band」と「PBS KIDS Party」アプリ

高萩さんは、起業されるまえに「Moff Band」のプロトタイプを作成し、ユーザーテストを行い、その中で手応えを感じていたそうです。その後、アメリカのクラウドファンディング「KICKSTARTER」を使用し、スタートアップを目指すこととなります。


post_strong_01 元々僕たちはクラウドファンディングを「テストマーケティング」も兼ねて使用していました。それは、商品として「ダメ」か「イイ」かということをはっきりさせるためです。もちろん、結果として製品開発、生産のための資金を得る大きな機会でもありました。
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なぜ国内のクラウドファンディングではなく、アメリカのクラウドファンディングを使用したのでしょうか。


post_strong_01 マーケティングの観点として、アメリカの「KICKSTARTER」であれば単純に海外にリーチしやすかったからです。それは世界の市場でマーケティングを行えるということでもありますから。 post_strong_02

「Moff Band」はファンディング開始後、48時間という驚異的な早さでファンディングを達成させ、目標金額2万ドルに対し約7.8万ドルと大幅に目標クリアし、見事株式会社Moffとしてスタートアップしました。最近では、アメリカ教育メディア大手となる「PBS KIDS」との共同開発で「PBS KIDS Party」(iOS版/Android版)をリリースするなど、様々な業界から注目されるIoTベンチャー企業となります。

「PBS KIDS Party」は、米国No.1子供向け教育メディアブランドPBS KIDSとコラボした「楽しく動いて学べる」Moff Band対応 知育アプリ


post_strong_01 「PBS KIDS Party」の共同開発は、知育アプリや教本のようにただ見てるだけというものではなく、体を動かして学ぶという新しい教育体験を皆さまにお届けする取組みとなります。
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ウェアラブルスマートトイ「Moff Band」がIoTと知育との親和性を明示した、今までにない実績となるようです。 株式会社Moffの、今後の展望についてお聞きします。


post_strong_01 IoTとなるウェアラブルデバイス技術は人の動きをトラッキングしたりモニタリングすることができます。今後は、教育やヘルスケア、フィットネス等、身体的体験がアプリにつながりデータ蓄積され、さらにそのデータを活用できる意味ある「ものづくり」をどんどんリリースして行きたいです!
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日々の身体の動きや体験が私たちの暮らしや健康を快適にしてゆく、株式会社Moffの「ものづくり」。とてもシンプルなIoTのアイデアは、大きく未来を変えてゆくのかも知れません。


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