大木 祐二
monofarm編集室
編集長
mononfarmウェブマガジン編集長を務め、monofarmの発起人でもあります。
未来のものづくりはどういった「コト」や「モノ」であるのかを通じて、みなさんとのつながりを求めてウェブマガジンを立ち上げました。
monofarmから新しいものづくりの芽がたくさん育つことを目標に活動中。

記事の絞り込み

最先端テクノロジーでみんなをワクワクさせる「Tokyo MotionControl Network」
2014年12月13日に、デジタルハリウッド大学 駿河台ホールにて行われた、「Tokyo MotionControl Network(以下「TMCN」)」さん主催の、「TMCN(Tokyo MotionControl Network) x Education (コミュニティ総会Vol.11)」に取材参加させていただきました。テーマは「教育分野におけるセンサーなどの最新技術導入」です。といっても、「教育とセンサーなどの最新技術?」と聞きなれないテーマと感じる方も多いのではないでしょうか。

TMCN_GADGETS

「Tokyo MotionControl Network」が主に扱うセンサーデバイスの種類

「センサー技術」といえど、センサー(センシングデバイス)の種類だけでも多岐に渡ります。そのなかでも代表的なセンサーデバイスの一つに「Kinect(キネクト)」があります。マイクロソフトから発売されたセンシングデバイスで、ジェスチャー・音声認識によりアイデア次第で色々な物の操作が行えるようになります。このような、最先端テクノロジーであるセンサー技術が、教育分野においてどのような可能性を秘めているのかは、考えるに計り知れません。しかし、「TMCN x Education (コミュニティ総会Vol.11)」の場では、登壇者より私たちの身近な所から「分かりやすく・楽しく」センサー技術をプレゼンテーション、デモ実演され、センサー技術を体感しながら教育分野への可能性を追求し理解を深めます。誰でも気軽に参加することができる会として「TMCN x Education (コミュニティ総会Vol.11)」は開かれていました。

TMCN_07

TMCN_06

【「PLEN the Driver」プロジェクトのデモ実演】モーションセンサー(Kinect v2)でジェスチャーを読み取りかわいいPLENが動くしかけ

TMCN_22

TMCN_03

【チーム「ハシラス」のデモ実演】乗馬型健康器具に跨り、オキュラスリフト(VRヘッドセット)をかけることで乗馬レースが体感できる

TMCN_04

【株式会社エーピーコミュニケーションズによるバーチャルリアルフィットネスのデモ実演】オキュラスリフト(VRヘッドセット)をかけることで、プロボクサーとのエクササイズが楽しめる

また、テーマとなる教育分野へのテクノロジー導入の必要性を学校関係者の方々も登壇されプレゼンテーションされます。現在の教育環境は、「学校へ通う子ども達と、その子供達の親が学校へ通っていた時代とで何ら変わりがないこと」が教育現場の課題と指摘されました。それは、「これから」を生きている子どもたちが、ランドセルを背負い向かう先が「むかし」と変わらない学校であるためと話されます。

そこで、現在の学校教育が抱える課題を解決できる1つの要因として、最先端テクノロジーの導入があるようです。その背景には、タブレットデバイスの誕生とともに、教育現場へのタブレットデバイス導入が推進され、その結果「むかし」のままの教育環境に新しい「もの・こと」の情報がもたらされ、さらに学校と外とのつながりが生まれました。このことにより、先生や生徒の「学ぶカタチ」が変わり始め、「これから」を生きるために必要な教育環境が生まれつつあるようです。

TMCN_18

多摩市立愛和小学校 松田 孝 校長

このことを受け、「教育分野における最新技術導入」の必要性を、とくに最先端センサーテクノロジー分野の第一線で活躍されるエンジニア・クリエイター方々が一堂に会し、活発に学校関係者と意見交換を「TMCN x Education (コミュニティ総会Vol.11)」の場で行われました。


<「TMCN x Education (コミュニティ総会Vol.11)」登壇者&プレゼンテーマ>

●デジタルハリウッド大学大学院/佐藤昌宏専任教授
 "What is Edtech"and"Edtech x TMCN"

●多摩市立愛和小学校/松田 孝校長
 「Technology x Education」教育現場へのIT導入の現場と課題そして、テクノロジーへの期待

●Natural Software・TMCN/中村 薫さん
 子供とデジタル現在進行形

●TheDesignium・TMCN/秦 優さん
 センサー&デバイス x Education

●手妻師・チームハシラス/藤山 晃太郎さん
 VR x Education

●Effective Learning Lab./Peter Rothenberg
 School Quest

●株式会社エーピーコミュニケーションズ/相宅 玲志さん
 「バーチャルリアルフィットネス」Oculus Rift / Kinect V2

●無所属/山本 昇平さん
 「ポポポ認証の五次元異空間ミョーミョンでピョまりたい」OculusRift DK2

●spicebox・チーム100LUS・TMCN/やまざき はるきさん
 「VR4U・100LUS DK1について」ヒャッカソンもヒャクラスも今、(ごく一部で)大人気です!

●電気通信大学大学院 情報システム学研究科 野嶋研究室/甲斐 貴大さん
 みんなでドッジ~スポーツとビデオゲームの融合~

●株式会社システムフレンド・TMCN/甲斐 貴大さん
 「リハテインメント(仮称)」Kinectのリハビリ効果測定への応用事例

●株式会社ネクスト/石田 陽太さん
 「IRKitで少し未来のスマートハウスに」赤外線対応家電をIRKitとSiriの音声認識で遠隔制御する

●トラック屋さん/松山 周平さん
 「poisonous wall」動くものへのリアルタイムシミュレーションとマッピング

●PLEN Project Committee/赤澤 夏郎さん
 ヒューマノイドロボット"PLEN"の開発と"ものづくり"

●TheDesignium・TMCN/秦 優さん
 TMCN的Projectの進め方

●KMCN(仮)/高田 智広さん
 「Kansai MotionControl Network」立ち上げます!




この会の主催者である、「Tokyo MotionControl Network(以下(TMCN)」の事務局担当でいらっしゃる伊藤 武仙さん(以下、「武仙さん」)にTMCNの成り立ちや活動内容についてお聞きしました。

TMCNとはいったいどのような団体なのでしょうか。

post_strong_01 Kinectなどのセンサーに関心のあるメンバー5名が集まった居酒屋で、「今度は他の人も呼ぼう」となったのがTMCNとなる発端です。2013年8月開催の「第1回 Tokyo MotionControl Networkキックオフイベント」では60名を超える参加申し込みがあり、なぜかメディアも入るなどの異常な盛り上がりを受けて、以後独自企画や出張開催を含め月に一回程度の頻度でイベントが行われることとなり今に至ります。
post_strong_02

TMCN_27

「TMCN x Education (コミュニティ総会Vol.11)」の進行役を務める武仙さん

さらに、TMCNの特徴について武仙さんは話します。

post_strong_01 安価に購入して開発が出来るセンサーやデバイスが多数出回るようになり、個人での開発や表現の幅が今加速度的に広がっています。また、開発者同士が「SNS」や「GitHub(ソフトウェア開発プロジェクトのための共有ウェブサービス)などを介して知を公開し合い、共に高め合う風潮が拍車をかけています。Web、電子工作、Digital Fabricationなど、他の分野でも同様のトレンドが見て取れますが、私たちはセンサーという最新テクノロジーが詰め込まれたハードウェアをソフトウェアで制御することを主軸のテーマとし、トライアンドエラーのサイクルスピードを、高速で回しつつ技術的に高度な作品が制作出来ることを特徴としています。
post_strong_02

最先端テクノロジーが、私たちの身近なところで技術提供される時代となり、「個」の表現の幅が広がり誕生したTMCN。これからの時代を代表するような、コミュニティのカタチだと感じます。次に、TMCNの活動内容についてお聞きします。

post_strong_01 TMCNでは、開発者や同ムーブメントに関心を持つ個人や事業者をオンライン/オフラインでネットワークすることで、業界全体を盛り上げて行きたいと考えています。現在、総会イベントへの参加者は延べ1,000名ほど(2014年12月現在)となります。TMCNには「黒幕」と呼ばれる企画運営を行う幹事組織が40名ほどおり、総会イベントを追うごとに一緒に盛り上げたいという幹事が増えています。参加者属性も、会社業務としての参加者、企業勤めながら個人的に参加する方、会社として参加する団体などもありつつ、特にフリーランスの方々の活躍も目覚しいです。TMCNに携わったため、会社を辞めてしまった人間も現れているほどです。また、「Windows女子部」や「FabCafe」などの他のコミュニティや企業、団体ともコラボレーションしTMCNの活動の質と幅を広げています。
post_strong_02

TMCN_23

TMCN活動事例:「チーム100LUS」

TMCN_28

TMCN活動事例:Kinectでシンセサイザーをコントロールした「Project DAFTY」

TMCN_26

TMCN活動事例:「poisonous wall/PLEN the Driver」

TMCNは「コミュニティ総会」と名付けたネットワークイベントを主軸に、技術セミナーやハンズオントレーニングを行う「tech-cafe」を開催する他、他のイベントに出張講演やデモ展示を行います。最近ではテーマを決めてコミュニティメンバーで共同開発を行い、TMCN独自のものづくりにも力を入れているようです。オンラインでのコミュニティづくりとして、メインのFacebookページ他、イベント参加者の情報交換として使うFacebookグループ「TMCNフォーラム」を運営し、TMCNのネットワークを広げます。

最先端テクノロジーで時代を牽引してゆくTMCNの活動をつうじ、私たちに大切な「ものづくり」についてどのようなイメージを持つのでしょうか。

post_strong_01 志向として大量消費の時代から、個々人の価値観の多様化に根ざしたロングテールの時代に移りつつあるのを感じます。また、技術革新により消費者が創り手になり、ネットワーク経由で情報発信をして繋がることが容易な時代になっています。TMCNはその背景として求められる、創意を持った個人の出会いと情報交換、共創の場の一つとして「センサー&デバイス」をテーマにしたプロ集団の形成を目指しています。そして、各業界へ応用例の「Prototyping」の提案を、私たちTMCNのような団体が担ってゆくことが、これからの「ものづくり」において大切な「もの・こと」に感じています。
post_strong_02

最後に、TMCNの今後の展望や目標についてお聞きします。

post_strong_01 ネットワーキングから生まれる価値を具体的な共創に結びつけて、教育などの社会的意義のある活動に提案していきたいです。さらに、私たちTMCNでの「Prototyping」の活動から、参加メンバーによる「事業化」を実現してゆきたいです。また、「Kansai」の独自コミュニティの立ち上げ(Kansai MotionControl Network(KMCN)キックオフ)支援を皮切りに、海外も含めた地域的な展開を進めていきたいですね。
post_strong_02

TMCN_01

「TMCN x Education (コミュニティ総会Vol.11)」終了後、居合わせた参加者で記念撮影

最先端テクノロジーでみんなを楽しませるそんな大人たちが、これからを生きる子どもたちにテクノロジーを伝え、力強く背中を押して行く姿を、TMCNからみなさんに届いてゆくことを期待します。


「Tokyo MotionControl Network」facebook

関連記事