大木 祐二
monofarm編集室
編集長
mononfarmウェブマガジン編集長を務め、monofarmの発起人でもあります。
未来のものづくりはどういった「コト」や「モノ」であるのかを通じて、みなさんとのつながりを求めてウェブマガジンを立ち上げました。
monofarmから新しいものづくりの芽がたくさん育つことを目標に活動中。

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『草かんむりの街』をめざす、昭和飛行機工業株式会社の取組
私たちの暮らしに身近な「ものづくり」のひとつとして、自動車があげられるのではないでしょうか。日々の交通手段として、または物資の運搬や、緊急車両、工事車両など多岐にわたり私たちの暮らしを支えている車たち。そんな車たちをより快適に使用できる未来にむけ、技術開発を推進される取組について今回取材させていただきました。

東京都昭島市で昭和12年に創立され今年で77年目を迎えます、昭和飛行機工業株式会社さまは、未来の電気自動車の充電方式を大きく変える技術、非接触給電システムの技術開発を推進し取組まれています。いったい非接触給電システムとはどういった技術なのでしょうか。今回、輸送・機器事業本部 開発事業部 非接触給電事業室 室長 長澤 信介さん、課長 渡邊 浩史さん、主任 東 拓次さんにお話をお聞きしました。

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写真左から:渡邊 浩史さん、長澤 信介さん、東 拓次さん

post_strong_01 技術自体は、電磁誘導と言われる技術を使用したもので19世紀からある比較的古い技術なんです。私たちの身近なもので言いますと、IHクッキングヒーターも同様の技術が使用されています。私たちは、電磁誘導技術を元に、より効率的に大電力を非接触で伝える技術を開発推進しています。
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非接触給電システム構成図

非接触給電システムで動く自動車模型

主に、電気自動車を走らせる程の大電力を効率的に、しかも非接触でバッテリーに充電される技術研究・開発が行われているようです。直近では、東北大学が主体となり取組まれます「次世代交通システム」の研究開発に昭和飛行機工業の非接触給電システムが小型EV車両に搭載され、東北大学未来科学技術共同開発センターにて実証試験が行われます。もう一つの技術研究・開発の好例として独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構「NEDO」さまの支援のもと、早稲田大学電動車両研究所による研究開発より、同社の非接触給電システム搭載のバスが実際にお客さまを乗せ公道を走り、地域のみなさまの日常の足として活躍しました。この取組は、商業バスに非接触給電システムが搭載された世界初の取組となるようです。

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東京ビッグサイトで開催された「テクノフロンティア2014」の様子

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非接触給電装置

このような、昭和飛行機工業株式会社さまが技術開発の一貫で取組まれる産学連携のイメージとはどのうような「もの・こと」であるのでしょうか。

post_strong_01 私たち昭和飛行機工業株式会社が掲げる企業理念に『草かんむりの街』の実現があります。地域に根ざし、地域とともに歩むことが弊社の理念にある『草かんむり』の取組であり、77年ものあいだここ武蔵野で生業をしてこれたことでもあると感じています。未来のエンジニアをめざす学生達と、お互いの技術を共有しあいより良い研究が行えるよう支援を行うこともまた地域とともに歩む一つのかたちではないでしょうか。また、そこから誕生した技術が環境にも優しく、私たちの暮らしが豊かになる「もの・こと」であればこれ以上のことはないと感じています。
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暮らしを豊かにするこれからのものづくりについてお話をお聞きしました。

post_strong_01 私たち昭和飛行機工業株式会社のエンジニアは、『品物はうそつかない』『逃げて行かない』とよく言います。それは、エンジニアとして自分の汗が「もの」として残ることで、一番のやりがいと感じるモチベーションにつながるためです。そして、わたしたちの「ものづくり」より、人に喜んでいただけるものを世の中に誕生させることが社会貢献のひとつのカタチでもあり、わたしたちの暮らしを豊かにするものづくりと感じます。
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輸送・機器事業本部が携わる製品(左上:小惑星探査機/はやぶさ、右上:アルミハニカム、左下:介護用入浴装置/個枠、右下:30KLタンクセミトレーラー

非接触給電事業室の今後の目標として、

post_strong_01 非接触給電システムが広くわたしたちの暮らしに取りいれられることで、生活環境を守り、育てることに貢献できる『草かんむりの街』の実現をめざしてゆきたいです。
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今後は働く機械への非接触給電システムの搭載も推進し取組まれて行くともおっしゃっていました。このような最先端技術により、私たちのくらしがより快適になり、さらに自然環境も改善されることにもつながります。私たちの身近な存在である自動車が、走りながら給電される未来もそう遠くはないのかも知れませんね。

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「IPS(電気自動車用非接触充電システム)」車線を走行すると、自動車に非接触給電される未来の道路イメージ



昭和飛行機工業

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