大木 祐二
monofarm編集室
編集長
mononfarmウェブマガジン編集長を務め、monofarmの発起人でもあります。
未来のものづくりはどういった「コト」や「モノ」であるのかを通じて、みなさんとのつながりを求めてウェブマガジンを立ち上げました。
monofarmから新しいものづくりの芽がたくさん育つことを目標に活動中。

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ここちよい「人・音・時間」が流れつながり合う、「Beat Box Cafe・SIGHT BOX Studio & Gallery」
今回取材をさせていただいた東京都町田市にあります「Beat Box Cafe・SIGHT BOX Studio & Gallery」は、アート・ギャラリー、ミュージックスタジオ併設型の新しいタイプのマルチなカフェ&バーであります。新進気鋭の作家やミュージシャンを中心としたコミュニティ形成の場として、誰でも気軽に訪れ交流し「こと・ものづくり」における化学変化が起こるスタート地点ともなります。

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「Beat Box Cafe・SIGHT BOX Studio & Gallery」(外観)

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「カフェ&バー」サービスのある、落ち着く店内。珍しいお酒も取り揃えておりますので是非!(「Beat Box Cafe」店長:HOVAさんより)

「SIGHT BOX Studio & Gallery(以下:「SIGHT BOX」)」オーナーのタナカ トシノリ(以下:タナカさん)さんにお話を伺えました。「Beat Box Cafe・SIGHT BOX Studio & Gallery」はショップ名が2つある形ですが、出店経緯はどのような形だったのでしょうか?

post_strong_01 はじまりは、「Beat Box Cafe」オーナーがこのビルの地下でミュージックスタジオを運営していました。1Fがテナント募集となったため、ミュージックスタジオを利用するミュージシャンの憩いの場としてカフェ&バー経営を企画し、そのままではスペースが広すぎるのでギャラリースペースを作り、マルチな表現に触れられる空間として「SIGHT BOX」ができあがりました。
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ギャラリースペースとして、音楽・写真・絵画などの作家さんが気軽に個展が開ける場として提供されており、インスタレーションが行える空間でもあります。また、レンタルボックスというスペースも提供されており、作家さんの作品を出展・販売できる場ともなります。

post_strong_01 いまや多くの作家さんの「ものづくり」をインターネットを介し自由に出品・販売を行う事が出来ますが、やはり実際手に取って作品と向き合っていただき、時には作家さんとのコミュニケーションが行える空間での出展・販売を行う事が大切に感じます。
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とタナカさんは言います。確かに現代ではSNSなどを介し、自由に多くの人たちとつながり自分を表現し、作品を提示できる時代となりました。しかし、そこには作品展示における空間構成であったり、お店の雰囲気であったり、作家とコミュニケートしないと分かり得ない人柄など、インターネットでは伝えきれない「もの・こと」は多くあると感じます。オンラインだけではなく、オフラインで気軽に伝えて行ける場、それが「SIGHT BOX」の1つの役割となっています。

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店内ギャラリーでは、写真・絵画・手工芸その他の美術作品や製品の展示を常時開催。

「SIGHT BOX」のコンセプトは、「山の裾野にあるようなギャラリー」。

post_strong_01 世の中にはいろいろなギャラリーが存在します。ハイエンドな作品、作家のみを扱うようなギャラリーもあれば、「SIGHT BOX」のように発展途上である作品、作家の魅力を引き出せ、はじめて表現する作家さんでも気持ちよく自由に使えるギャラリーがあってもよいと感じています。
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まさしく、作家として自己実現するためのスタート地点にもなり、登山に例えるのであれば「登山道入り口」にあたります。この場から、その人の物語が生まれて行くことを思うと、大切な人生のターニングポイントとなるギャラリーやスタジオに感じます。

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「レンタルボックス」にて作品を展示、販売も行えます。

「SIGHT BOX」の利用者は主に、地元の方々となります。町田にはギャラリーやスタジオが他にあまりないため、一般のカフェ利用者の方も含め重宝されています。ギャラリー利用者は、地域に大学が多いこともあってか、学生が2~3割となります。それ以外は、オーナーのコミュニティからの依頼が多いようです。作家同士の口コミやコミュニティよりギャラリーの存在が広がっており、カフェやギャラリーに集うアーティストやそのファンと気軽にコミュニケートできる場としてカフェが併設されているので、今までファンだった人がアーティストになることもあります。「Beat Box Cafe・SIGHT BOX Studio & Gallery」を中心にアーティストとファンの区別なく、コミュニティが形成されています。

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左:「Beat Box Cafe」店長のHOVAさん、右:「SIGHT BOX」オーナーのタナカさん

「SIGHT BOX」オーナーのタナカさん自身もプロのフォトグラファーとして活躍されています。また、タナカさんがファシリテーターを務める「写真についての学びの場」も開かれており、写真をはじめたばかりの人から、ある程度経験のある人までを対象に、個々のレベルに合わせた形で指導されています。オーナー自身、6・7年前までは教員であったこともあり、その経験が活かされ無理なくつながれるコミュニテイ形成の場がここにもあります。さらに、ミュージック・スタジオにおいては、主に打楽器奏者の練習・レコーディングスタジオであり、インディーズレーベルも用意されているためワンストップでCDリリースが行えます。駆け出しのミュージシャンが、演奏し、レコーディングし、ジャケット写真・プロモーションムービーを撮影し、インディーズレーベルでのCDリリースまでをもサポートされています。その際、タナカさんがカメラマンを務め、作家とのつながりからジャケットグラフィックをてがけます。

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ミュージックスタジオでは、プロさながらのレコーディングからインディーズレーベルでのCDリリースが行えます。

あらゆるジャンルの作家が一堂に会しお互いの表現を受け入れてくれる土壌があるからこそ、誰でも気軽に表現出来る場が「Beat Box Cafe・SIGHT BOX Studio & Gallery」のコミュニティより生まれています。ちなみに、「Beat Box Cafe」オーナー大久保 宙(おおくぼ ひろし)さんは有名なプロパーカッショニストであり、しかも「Beat Box Cafe」店長のHOVAさんもプロのヒューマンビートボクサーであります。このように、プロのアーティストが運営母体にいることが、これからの若手アーティストの育成の場にもつながっています。

「SIGHT BOX」オーナーであるタナカさんは「アート」をこのように定義します。

post_strong_01 アートは、個々で「作る」だけの世界で終わらせるものではなく、作品を外の世界にリリースしそこで見る人がどのように感じるかが大切だと思います。見る人と作家・作品の間で起こった化学変化から生まれた「もの・こと」により「アート」とされると感じています。
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「ものづくり」おいても、きっかけは人と人との繋がりからはじまります。1人で完結する「ものづくり」は無いように感じます。必ずきっかけは人とのつながりの延長線上にあるものです。このような化学変化が起こる場、そこに皆期待し「Beat Box Cafe・SIGHT BOX Studio & Gallery」に訪れ、つながり、さまざまなコミュニティが形成されてゆきます。

post_strong_01 ここ「Beat Box Cafe・SIGHT BOX Studio & Gallery」の人と人とのつながりから、私たちの想像を超える化学変化が起こっています。そして、その光景を目の当たりにしてきました。今後も、みなさんが自ら化学変化を起こせる場づくりを通じ、私たちもその取組みや活動をサポートし、そしてプロデュースしてゆける体勢を今後も整えてゆこうと考えています。
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「SIGHT BOX」オーナーのタナカさんは町田出身であり、町田に対する想いも人一倍強い方です。
これからも、町田周辺の若手アーティスト達の声に耳を傾け、作家活動のサポートを行います。

いつもここ、「Beat Box Cafe・SIGHT BOX Studio & Gallery」から、 ここちよい「人・音・時間」が流れつながり合い、絶妙なハーモニーを皆で奏でてゆきます。

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