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これからのものづくり3Dコンテンツの可能性を広げる『松村設計』
デジタル化が加速しているものづくりの現場。今話題の3Dプリンタ導入で、ものづくりはどう変わるのでしょうか。今回は、そのようなデジタル化の波に乗ってものづくりの世界をリードしている、「松村設計株式会社」の専務・松村和人さん、3Dデザインクリエイターの藤縄和彦さん、同じくクリエイターの小池英冶さんにお話を伺いました。

専務・松村和人さん

専務・松村和人さん

府中市に事業所を構える松村設計は、機械を一つの装置として成り立たせるための機械構造設計、いわゆる機構設計を中心に試作品製作も行っていて、近隣に工場がある電気製品メーカーの携帯電話モックアップ(形状サンプル品)製作なども含め長年手がけてきました。4年前に工業用3Dプリンタを導入してからは、電化製品だけでなく、アニメキャラクターなどのフィギュアのデジタル原型事業に力を入れていて、株式会社グッドスマイルカンパニーの「ねんどろいど」シリーズなど、人気フィギュアの原型を手がけています。

3Dプリンタを活用したフィギュアのデジタル原型をはじめたキッカケは、電化製品以外の試作品のデータ作成や出力といった、何か他のものにも応用できるのでは、と思ったからだそうです。従来の手で形作っていく原型に対して、3DCGソフトを使用してデータを作ることをデジタル原型といいますが、3Dで設計できるソフトや3Dプリンタの普及により、近年ではデジタル原型の割合はますます増えているようです。フィギュア業界では、これまでは全て手作業で原型がされていましたが、機械的な角ばったような形状のものはもちろん、ヒト型でもデフォルメがされているものなどは、デジタル原型で行う場合も増えていて、デジタルで作られるものも多いようです。製作したデータは3Dプリンタにて数時間で出力でき、手作業では3ヶ月かかっていたところ、1ヶ月まで短縮できるようになりました。

3Dプリンタで造型されたフィギュア

©佐藤順一・わんおふ製作委員会 Honda Official Licensed Product ©SEGA ©zaneri

3Dプリンタで造型されたフィギュア

藤縄さんはもともとは手作業で原型製作をしていたそうですが、少しずつデジタルへと移行が進み、CGの世界に入ったそうです。アナログから3DCGに移行するにあたって、元々興味があったためか特に苦労は無かったと言います。平面から立体的に作り上げる手法について「何かキャラクターをつくりあげようとしたとき、イラストレーターさんだったら2次元ですぐ発想できると思うんですね。私の場合は、頭のなかに3次元のポリゴンデータが思い浮かびます」と、道具が変わっても戸惑うことはなかったと言います。 現在はフィギュア原型のモデリングが多いですが「今後はインテリア小物などのデザイナーズ商品も作ってみたい」と意気込む藤縄さん。また小池さんは「自分の好きなキャラクターを設計したい」と語ります。自社製品の開発も視野に入れ、ものづくりに対する姿勢は積極的です。

培った技術を、新しい世代へ引き継ぐ取り組みも始めようとしています。2014年4月からは、新たな試みとして、産学連携もスタートします。東洋美術学校夜間部コミックアート科に「デジタル原型師育成コース」が設置され、松村設計のベテラン社員が教鞭を執るそうです。「映像と立体造形物では3DCGデータの作り方が違ってくる。量産型のデータの製作方法という現場で使える技術を伝え、デジタル原型師を育成していく」ということで、注目されています。

3Dプリンタで造型されたフィギュア、サンプル品

原型製作に手作業では3ヶ月かかっていたところ、なんと1ヶ月まで短縮できたという

デジタル化が進むなかでも、人と人との出会いが新しい物事のスタート地点とする、ものづくりの本質を大切にしながら、松村設計はこれからも技術の最先端をめざします。

松村設計株式会社

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