Takeshi Yamazaki
monofarm編集室
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未来のものづくりと地域の活性化をどのように行いプロモーションをしていくかを模索し日々奔走しています。

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東日本大震災の被災写真を救え!
ボランティア団体「課外のあらいぐま」
みなさんも2011年3月11日に発生した東日本大震災とそれに伴って発生した津波は、今なお記憶に残っていることと思います。その東日本大震災の津波に流された写真を洗浄・データ化をする活動をしているのが今回ご紹介する東京都武蔵野市の「課外のあらいぐま」というボランティア団体です。
震災から3年以上の月日が経ちますが、被災地では今でも持ち主の方が見つかっていない写真があります。
「課外のあらいぐま」の福井圭一さん(以下福井さん)にお話をお聞きしました 。


写真差替_福井

「課外のあらいぐま」 福井圭一さん


被災した写真を洗浄をする取り組みは、震災が起こった2011年の夏に各地で始まったといいます。


post_strong_01 遠方にいても被災地のためにできることがあります。 今必要なこと、今できることをしていこうという人たちが、こういった活動を自発的に始めていきました。
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「課外のあらいぐま」の前身となる活動は「りす会+moiあらいぐま作戦」として、吉祥寺の北、練馬区立野町で始まりました。
この「りす会+moiあらいぐま作戦」は毎日朝9時から夜21時まで活動し、主に宮城県女川町と岩手県陸前高田市の写真洗浄を行ってきたそうです。 2011年10月に一旦は終了したそうですが、この活動は神奈川県茅ケ崎市、山口県周南市、東京都練馬区の後継活動へ受け継がれてきました。
その後福井さんが参加された練馬区光が丘の活動では旧小学校の教室をお借りして陸前高田市の写真洗浄を続けました。時とともに水濡れした写真は乾いていき、反面処置の難しい写真も多くなり、作業内容も変化していったそうです。
光が丘でおよそ1年間活動し、処置を要する被災写真がまだあったため、福井さんは地元武蔵野市にて2012年秋より「課外のあらいぐま」としての活動を始めたそうです。
武蔵野市周辺のコミュニティーセンターやボランティアセンターの部屋をお借りし、土日祝日を中心に月に3〜6回ほどの活動が続きます。劣化写真の修復やフィルムの洗浄・データ化などを経て、現在は返却を推し進めるためのデータ化・再洗浄・アルバム化に取りかかられているそうです。
現在は岩手県釜石市・陸前高田市の写真に取り組まれています。


さて、ここで被災した写真の洗浄・データ化の方法を説明したいと思います。


IMGP0040 (2)  写真差替_説明①-右

①被災地から写真が送られてきます。管理票をつけ、一件一件しっかり管理します。
アルバムに入っている写真を1枚1枚取り出していきます。



IMGP0032 IMGP0039

②写真についている泥を刷毛や布を使って丁寧に落とします。右の写真は活動で使う道具の数々です。



IMGP0029 写真差替_説明③-右

③泥落としが終わったら、写真のスキャン=データ化を行います。
データは写真原本との相互確認も行い、その後、写真とともに返却することになります。



IMGP0023 IMGP0019

④スキャニング後は写真を水で洗浄します。
像を落としてしまわないように注意を払いながら進めます。劣化の強い写真は水洗浄をしません。



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⑤洗浄後は洗車用の吸水タオルで水分をよく拭き取ります。
その後は写真を並べ、風を当てよく乾かします。写真を立てているのは'花壇の猫よけ'です。

⑥写真が乾いたらポケットアルバム等に収納し、データと共に現地へ返却することになります。


データ化すると写真をパソコンで検索できるようになり、より探しやすくもなるそうです。
返却の可能性をより広げることができると福井さんは言います。 また、写真を劣化の進行から保全し現状保存できるという点からもデータ化のメリットは大きいとのことです。


活動には毎回多くのボランティアさんが参加します。ボランティアに参加するきっかけは様々で、現地ボランティアに行くのは難しいけれども東京でやっているのなら是非という方や、東北ご出身の方や東北にゆかりのある方、ネットのボランティア募集を探されて参加される方など様々です。近郊の方が多いそうですが、遠方からはるばる参加される方もいらっしゃるそうです。


福井さんにこの取り組みを続けてこられてよかったことは?と聞いたところ


post_strong_01 持ち主の方に写真が返却されること。それが何よりも「よかった」と感じることです。そのような返却を待つ写真がまだあるので続けています。
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と、話してくださいました。


post_strong_01 日頃自分の写真を見るということもあまりないですが、この活動を始めて改めて家族の写真や幼少期の写真を見返したことがありました。
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誰にとっても思い出はとても大切なものだということですね。写真には持ち主の方それぞれの思い出や生い立ちが詰まっていることでしょう。


post_strong_01 今は預かっている写真を洗浄・データ化して、早く現地へお戻ししたい。今後同じような災害が起きた場合は、このノウハウがすぐ生かせるとよいのではと思います。
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と、福井さんは思いを語ってくださいました。
災害がいつどこで起こるかはわかりません。いつかの時のためにノウハウを役立てられるように考えておくことは大切なことかもしれません。実際に、2013年7月に発生した山口島根豪雨災害の際には地元の「あらいぐま作戦@山口周南」さんがすぐに初動のアクションを起こされたそうです。


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「課外のあらいぐま」の活動の様子


「課外のあらいぐま」スタッフの方が常々心がけていることがあるそうです。


post_strong_01 人や風景、建物や部屋の様子など、写真に写る世界を大切に残すよう努めています。
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全国では今でも写真洗浄を続けている活動があります。 東京近郊では、光が丘、茅ケ崎、横浜、流山などでも活動が行われています。 リンク先を下記に紹介いたしますので、お近くの方はぜひご参加されてみてはいかがでしょうか。

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課外のあらいぐま情報
課外のあらいぐまホームページ(東京都武蔵野市)
課外のあらいぐまtwitter
あらいぐま作戦facebook

各地の写真洗浄ボランティア団体
おもいでかえる(宮城県仙台市・愛知県蟹江町)
フォトサルベージの輪(千葉県富津市)
被災写真洗浄活動@流山(千葉県流山市)
写真洗浄@光が丘(東京都練馬区)
海辺のあらいぐま(神奈川県茅ケ崎市)
ねこの手(神奈川県横浜市)
MM思い出返し隊(神奈川県横浜市)
あらいぐま作戦@山口周南(山口県周南市)
ハートプロジェクト長崎(長崎県大村市)

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