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やさしい、ものづくりの世界をめざして『TNK(ティーエヌケー)』
大正3年創業と歴史ある会社ながら、自社製品開発などの新しい取り組みにも積極的に挑戦し続けている「株式会社TNK(ティーエヌケー)」。福祉、介護の現場で役立つ優れたアイディアを形にしてきました。今回は、商品事業部長・田中勤さんにお話を伺いました。長年、機械装置の受託設計・製作などをしてきましたが、約10年前からは介護・福祉関連製品の開発に積極的に取り組んでいます。
 
商品事業部長・田中勤さん

商品事業部長・田中勤さん

何の変哲もないように見える白色の杖は、実は特別な機能が備わっています。『マイ・ケーン』は、点字ブロックなどの色を認識して、専用の白杖の振動によって安全に誘導できる、画期的なシステムです。社長自らが開発にあたったというこちらの商品は、企画から販売に至るまで約3年の期間を要したそうです。その仕組みは、色によって異なる振動のパターンが発生するので、杖に従えば目的地に簡単に辿り着くことができるというものです。例えば、そのまま進める道は白色のシール、止まるところは赤色のシールといったような色分けを紫外線センサーで認識して、異なる振動のパターンで教えてくれます。

取材した私もアイマスクを付けて実際に体験したところ、杖からまるで携帯電話のバイブレーションのような振動が手元に伝わってくるため、迷うこと無くスムーズに目的地に辿り着くことができました。知覚障害者には、一般的な点字ブロックの凹凸だけでは伝わりにくい場合もあるため、触覚や振動覚に働きかけるほうがより伝わりやすくなるそうです。大手通販サイトでの販売を通じて消費者の認知度も徐々に高まっています。

マイケーン、かるいどう

マイ・ケーン(画像左)、かるいどう(画像右)

主力商品『かるいどう』はベッドと車椅子の間に橋渡しすることで、簡単に移乗できるアイテムです。従来は介護者が腰を痛めてしまいがちでしたが、このアイテムを使えば持ち上げることなくスムーズに移乗できるため、負担が大幅に軽減されます。老人ホームなどの介護の現場で「腰などを痛めて職員が仕事を辞めざる得ないことがある」という悲痛の声を聞き、今回の開発に至ったということです。類似のベッド移乗サポートグッズはそれまでにもあったのですが、ベッドの形状にあまり合っていない、まっ平らな汎用タイプが主流でした。改良されたことは大きな一歩となりました。

独自の視点で開発を進める自社製品はこれだけではありません。『一直線』は、火災発生時に光で安全な非常口まで案内してくれるシステムです。通常の誘導灯としても使用できる、優れものです。市役所などで導入しているところがあるそうです。昨年から販売を始めたのは、液中気泡除去装置の『BUBBLE ELIMINATOR』で、こちらは、切削油・潤滑油・食品飲料・塗装液など、あらゆる液体の気泡を除去できる優れものです。例えば車など乗り物のエンジンオイルの気泡が除去できれば、燃費がよくなるなどの効果が期待できます。さまざまな場面で活用できそうです。

気泡除去装置

気泡除去装置『BUBBLE ELIMINATOR)』にて、数分で泡が完全になくなった様子

このプロジェクトは、2010年に戦略的基盤技術高度化支援事業(通称サポイン)の採択を受けて、法政大学などの近隣大学と産学連携の形を取り、研究を進めているとのこと。入社後すぐこのプロジェクトに参加している若手社員も在籍していて、若手社員が挑戦できる環境を与えることで、組織の活性化を図ることができるのではないかと期待しているそうです。

今後は、一般の声も聞く機会を作り、自社製品開発に積極的に取り組んでいきたいと語ります。革新的なアイディアを取り込んだものづくりで、介護や福祉の現場のみならず、様々な分野に革命を起こし、これからも一歩先を進んでいきます。

株式会社TNK(ティー・エヌ・ケー)

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