大木 祐二
monofarm編集室
編集長
mononfarmウェブマガジン編集長を務め、monofarmの発起人でもあります。
未来のものづくりはどういった「コト」や「モノ」であるのかを通じて、みなさんとのつながりを求めてウェブマガジンを立ち上げました。
monofarmから新しいものづくりの芽がたくさん育つことを目標に活動中。

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「明星大学生」と「NPO法人 やまぼうし」との地域連携より誕生した、「Star☆Shops」Cafeプロジェクト
大学生とNPO団体とのコラボプロジェクトにより誕生した、地域交流型のカフェが「明星大学(東京都日野市)」キャンパス内にあります。それは「明星大学生」と「認定NPO法人 やまぼうし」さんとの地域連携により誕生した「Star☆Shops」Cafeです。

2010年8月よりオープンしており、「Star☆Shops」Cafeのはじまりは、2名の明星大学生による

post_strong_01 友人とゆっくり語れるカフェがほしい・学内にもっと活気が欲しい
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といった熱意からスタートしました。
しかし、「学生自ら起業する」というハードルは高く、設備費・経営経費等の資金工面、事業の継続性確保など、あらゆる現実的な問題がのしかかり学生たちだけでは乗り越えられない問題が山積することとなります。そこで、視野を学外の地域社会に広げた際に白羽の矢がたったのが、「認定NPO法人 やまぼうし(以下「やまぼうし」)」さまでした。

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「Star☆Shops」 cafe

今回「やまぼうし」理事長を勤めます、伊藤 勲(以下「伊藤理事長」)さんにお話をうかがえました。「やまぼうし」さんは、障害者・高齢者・子育て期の女性を含む多様な人々に活躍の場(雇用の場)を提供するため、1970年代から取り組みをスタートされています。当初、京王線百草園駅の近くに重度障害者4名のみで経営される「自然食品販売店 おちかわ屋」のスタートアップをサポートすることから始まり、現在では「サポート事業部(障害者生活・就労支援センター)」「やまぼうしホーム事業部(障害者グループホーム)」「やまぼうしスローワールド事業部(多様な働く場の運営)」を事業展開され積極的に障害者・高齢者をはじめ多様な問題を抱えた方達に就労支援と生活支援の場を提供されています。

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「Star☆Shopa」店内で、障害者のかたがたが作ったグッズも販売しています

「やまぼうし」の事業運営ポリシーとして、

post_strong_01 補助金依存型事業ではない、市民恊働型事業を展開し、単独で事業継続できる体制づくり
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をいち早く掲げ、コミュニティビジネスを実践されています。コミュニティビジネスとして中核をなす事業が「やまぼうしスローワールド事業(多様な働く場の運営)」です。スローワールドとは『スローワーク・スローファーム・スローイベント・スローツアー』の総称であり、

post_strong_01 ゆっくりではあるけれども、着実に安定した雇用を産み、事業化してゆくこと
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をめざします。雇用の対象者として、主に社会的弱者とされてしまう「障害者・高齢者・子育て期の女性」があげられます。学生の熱意からはじまった「Star☆Shops」Cafeプロジェクトは、「やまぼうし」さんと連携することで、事業としての運営面のノウハウを得るだけではなく、社会的ハンデを持つかたがたの自立支援となる就労先ともなり、地域社会への貢献をも含む地域連携プロジェクトへ発展しています。しかも、「Star☆Shops」Cafeプロジェクトは明星大学(学生たち)にとっても体験教育の場となり、教育目標とする「自己実現をめざし、社会貢献ができる人の育成」を実践躬行できる場となりました。実際に、カフェプロジェクトのサークルである「スターショップス・サポーターズ」で活躍された明星大学4年生の島崎さん(2014年5月現在)にお話を伺えました。

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「Star☆Shops」 cafe店内

post_strong_01 定期的に、「Star☆Shops」Cafeでイベントを開催し、学生とのコミュニケーションを通じ利用者を増やして行く活動を行っていました。 特にカフェで働く障害者の方々と共に、調理から金銭回収まで一緒に作業を行えたことが大きな経験となりました。
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と話ます。時にはゼミ生との共同開催イベントとして、国際交流をテーマとした「アフリカフェ」というイベントを行い、特別メニューを企画販売し、「心ゆくまで人の話に耳を傾ける」といった体験学習で過ごしたアフリカの時間を再現し話題にもなりました。

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調理場に本格的な「溶岩釜オーブン」を設置

また、「Star☆Shops」Cafeの調理スタッフとして活躍されている発達障害を抱えたKさんがいらっしゃいます。揚げ物担当をされていて、どのスタッフよりも上手においしくカツを揚げる事ができるそうです。私もいただきましたが、Kさんが揚げるカツが入ったカツカレーは、本格的なカレーの味付けもさながら、カリカリ・サクサクに揚がったカツが良くマッチしていて絶品です。味付けについては、学生の意見も取り入れられたお墨付きでもあります。時には、大学の授業に伊藤理事長とともに登壇もされます。伊藤理事長はこのように言います。

post_strong_01 Kさんのように障害を持つかたがたと実際に接して行く事で障害者イメージが大きく変わってゆくと思います。障害者のかたがたは「支援される側」 と思われがちですが、逆に「支援する側」でもあるということも大切にしたい。
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「認定NPO法人 やまぼうし」伊藤 勲理事長

といいます。実際に、日野市のゴミ問題を解決されてきた実績がそこにはあります。各家庭でバケツに生ゴミを入れ、「堆肥化促進剤」(EM菌)をパラパラとふりかけ混ぜたものを、定期的に「やまぼうし」障害者スタッフが回収し、「やまぼうし」さんで耕作している農地で肥料に使用したり、市民農園等へ販売されています。ゴミを燃焼させるために使用する多量の燃料も必要ないですし、焼却灰、ダイオキシン、Co2問題も解決する取り組みでもあります。こういった取り組みを着実に続けて行けることも、障害をもつ身であるからこそ生まれる仕事への責任感がそこにはあります。しかも、この取り組みは自分たち障害者が自立するための事業にも発展しました。これは、よりよい街づくりをめざし障害者が主体となって住民のかたがたを支援してきた好例でもあります。

これからも「やまぼうし」さんと、学生たちで連携しながら運営される「Star☆Shops」Cafeプロジェクトは、 つぎのような「ひと・もの・こと」を共有できる場をめざしてゆきます。
Web
光を失った「ひと・もの・こと」が、もう一度光をとりもどせる場として、 「Star☆Shops」Cafeはこれからも明星大学のキャンパスから、 小さいながらもあたたかい星明かりのように、みなさんを照らし続けてゆきます。

明星学園報<Web阪>
認定NPO法人 やまぼうし

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